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転職について - 人材紹介会社を使った転職の流れ

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転職を考え始めてまず最初にやるのが「どんな求人があるのかな?」と探すことかと思います。その求人情報は、直接企業が出している場合と、人材紹介会社を介して出している場合とがあります。人材紹介会社は企業からの求人に対してはベストな人を紹介、求職している人に対しては、ベストな仕事を紹介するのがその仕事です。 今日はその人材紹介会社の利用についてのあれこれについて書いてみます。

最初の一歩、人材紹介会社とのコンタクト

大小の上場企業や外資系企業を相手にしている人材紹介会社で「怪しい会社」に会ったことはありませんし、そんな話も聞いたことがないので、ある程度名の通っているところであれば問題ないでしょう。 人材紹介会社の業務は、企業から求人の依頼をもらって(要は営業)、その依頼を元に人探しをすることなので、営業力次第で扱っている案件のバリエーションも変わってきます。簡単に言えば、大きな会社であれば、沢山の案件を扱っています。 ただ、小さいところでも特定のお客さんに上手く入り込んで、厳選された良い案件を持っていたりします。

CMで見かけるエン転職 などの転職サイトでは、色々な案件が紹介されていますが、それぞれの案件は各人材紹介会社が提供しています。なので複数の求人の話を聞いたり、応募しようとすると、複数の人材紹介会社とやり取りすることになります。少なくとも、数ある人材紹介会社のうち、自分の気になる求人を紹介している会社は、自分が求めている業種や業務に関連する求人を色々扱っている可能性が高いので、まずはこの方法でコンタクトしてみるのが良いと思います。(求人している企業側がコストを負担するので、大抵無料です。)

ただ、あまりに多すぎるとやり取りが大変になるので、数社に絞るようにしましょう

気になる求人があっても、「数打ちゃあたる」と全部連絡するようなことは控えてせずに、この段階では本当に気になる数件に絞り込んで連絡を取るようにしましょう。人材紹介会社に登録すると、そこで複数の案件を紹介してくれます。企業の人事が人を探す時には、特命の場合を除いて、複数の人材紹介会社に連絡をします。なので、全部の案件ごとに違う人材紹介会社に連絡する必要はありあません。(場合によっては、あまりに求人の内容とあなたの経歴等にギャップがある時には、人材紹介会社の中でフィルタがかかるケースがあります。) 逆に、「スカウト」と言って転職サイトに登録しておくと、向こうから声をかけてくれたりします。 その後、メールのやり取りから始まって、電話や実際に会って話をすることになります。

なお、ある程度覚悟が決まっている人なら構いませんが、
人材紹介会社は、各企業の人事と普段からやり取りしています。あなたが求職しているという事実は非公式にあなたが今いる会社の人事にも漏れる可能性があると考えた方が良いです。
関係者は個人情報保護法がありますので、絶対にそのようなことは認めませんし、証拠が残る形で連絡したりもしませんが、実際に「その節があるケース」には何回か遭遇しています。なので、「なんとなく転職ってどんなものか情報収集してみようかな?」程度の段階であれば、ちょっと慎重に行動した方が良いです。

人材紹介会社への登録から求人の紹介・応募までの流れ

人材紹介会社に仕事を紹介してもらうにあたって、まず最初に担当者と会って自分の転職したい理由や希望条件を話して、履歴書や職務経歴書を渡して登録することになります。人材紹介会社は登録した情報と自分達が持っている求人とを照らし合わせて(マッチングと言います)いくつかの求人を紹介してくれます。(上手な職務経歴書の書き方などは別途説明する予定です。) 紹介してくれた案件について、不明な事があればどんどん質問して、不明な点をクリアにしましょう。その上で、自分が「応募したいな」という案件に応募してみます。連絡を取るきっかけになった、転職サイトに載っていた案件も同様です。企業名(多くのケースが企業名を隠しています)なども、実際に登録したのちに教えてもらえます。 自分がその求人が気に入れば、その求人に応募することになります。応募後は人材紹介会社があなたの応募書類を求人している企業に持って行って、文字通り「紹介」してくれます。ただ、各求人には複数の候補者が紹介されますので、まずは企業による「書類選考」というフィルタがかかります。そのため、応募の際には人材紹介会社に提出した書類そのままではなくて、その求人向けにチューニングを施した書類を提出してもらうようにしましょう。

人材紹介会社からの求人の紹介は決して求人企業からのオファーではありません

人材紹介会社から求人の紹介があると、その求人企業から何らかのオファーがあったと勘違いしてしまいがちですが、特殊なスキルを持った人に対する「一本釣り」でもない限り、あくまで「候補者の紹介」です。転職なれしていない人(そういう人が大多数ですが)は、ここで「採用まで近い」と考えてしまいますが、全くもって違います。単に企業の「選考のテーブル」に乗せてもらえただけで、複数いる候補者から「選ばれる」必要があります。

書類提出後の流れ

書類提出後、求人企業にてフィルタリングが行われて、実際に面接してみたい人に連絡が行きます。いわゆる「書類選考」です。無事に書類選考が行われた後は、数回の面接を経て採用・不採用が決まります。面接は複数回行われますが、その企業や求人しているポジションにより様々です。(私の場合、最高で7回面接を行いました。)面接前には、人材紹介会社から色々な情報をもらっておきましょう、面接官の性格や好み等も必ずチェックしておきます。面接前に限りませんが、求人の書類で使っている「専門用語」も要チェックです。同じ意味でも会社によって言葉が異なることが良くありますので、書類や面接では「相手の用語に合わせる」のが意外と重要です。
面接ごのやり取りも重要です。求人している企業も選考していますが、自分も仕事を選ぶ立場です。面接で「なんか違う」と思った時には正直に伝えて、丁重にお断りすることも重要です。先方も時間を使って面接してくれているのですから、行く気がないのであれば早い段階で止めておくのが得策です。また、求人している企業が面接で自分にどのような評価をしているのか(積極的に進めていきたいのか、キープレベルか?等)?を聞いておくと、次回の面接の際の際に、例えば先方が???と感じた点をカバーすることが可能になります。

数回の面接を無事に終えて、先方が「来て欲しい」となれば最終的に「内定」が出ます。が、ここが最後の踏ん張りどころです。 - 本当にその企業に行きたいか?を良く考えましょう。 - 条件を交渉する最後のタイミングです。人材紹介会社と良く相談しながら最高の条件を引き出しましょう。 - 金額だけではなく、入社のタイミングも良く考えて、必要なら交渉しましょう。

注意点

多くのケースでは人材紹介会社は企業に人を紹介して、採用されて初めてお金をもらえます。言い換えると、あなたが入社してくれないとお金になりません。ですので、人材紹介会社の話は「話半分」程度で聞いておくのが吉です。良く「あなたにとってそれが最良ならば、転職しないことを勧めることもあります」と広告に書いてあるケースがありますが、こちらも「広告の文句」と考えた方が良いです。とにかく最後は自分の責任ですから、「断る勇気」ももちましょう。

人材紹介会社の担当者

良く「どこの人材紹介会社が良いですか?」と聞かれることがありますが、人材紹介会社の良し悪しよいうよりも「担当者の良し悪し」の方が重要です。向こうも仕事でやっていますから、最悪な担当者になると、こちらが待てというのに、古い職務経歴書を勝手に送って不採用の連絡を寄こす担当者や、明らかに企業に候補者の書類を送る事務作業にしか興味のない担当者なんてのもいます。ただ、仕事ができる担当者もちゃんといます。

  • イムリーに情報や的確なアドバイスをくれる
  • 悪い情報も流してくれる
  • 動きが無くても、定期的に現在の状況をきちんと連絡してくれる。
  • 当たり前ですが、言ったことをキチンとやってくれる。

どの仕事でもこのあたりは共通です。普段仕事をしていれば、「信用できる人・できない人」の違いはある程度感じることができると思いますが、それと同じ基準で構わないと思います。冷酷かもしれませんが、特に転職の場合には出来ない担当者と付き合うのは時間の無駄です、適当にあしらって疎遠にしておきましょう。

まとめ

ちょっと長くなってしまいましたが、人材紹介会社を転職に上手に活かしていただければ幸いです。ただ、何度も書きますが、彼らのお客様はあくまで求人している企業であり、求職している人は彼らにとって商品に過ぎません。このあたりを勘違いして過大な期待をしてしまうと、がっかりしてしまいます。それを理解した上で、いかに上手に人材紹介会社を使うか?という点に尽きると思います。少なくとも、彼らは場数だけは踏んでいるのですから。