「意識中くらい」の仕事術

トップを目指しているわけではないが、人よりちょっと仕事ができるようになりたい人へ

転職について 書類選考を通す職務経歴書の書き方

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背景はともあれ、転職するにあたって最初に行うのが、職務経歴書を準備する事です。内定までの道のりの、最初の難関が、この職務経歴書と履歴書による書類選考です。人事も担当部門の人も、時間が無尽蔵にある訳では無いので書類を良く見て実際に面接するかどうかを決めます。 書類が通らなければ、実際に応募先の人と会って良い会社かどうかの判断も何も始まりません。私がここまでやってきた「書類をより通しやすくするテクニック」をまとめてみます。ただし、「可能性が上がると思われる」だけなので、結果に対しては何の保証もありません。。。。悪しからず。。

 職務経歴書に関する勘違い

以下は、私が実際に勘違いしていた点、後になってから「こうしておけば」と後悔した点です。

  • 最新の職務経歴書を人材紹介会社に送っておいたからばっちり!
    職務経歴書は応募先ごとにチューニングが必要です

  • 私の長所を最大限に記述しておいた! 職務経歴書はあなたを売り込むための「セールスツール」です。あなたが「売りたい」ところと相手が「買いたい」ところがマッチしていなければ、どんなに優秀でも売れません。

  • とにかく出来ることを最大限に書いた! 長すぎる職務経歴書は、読んでさえもらえないかもしれません。

  • 人材紹介会社にレビューしてもらったからばっちり! 体裁や文章については見てもらった方が良いですが、その業務については、人材紹介会社や場合によっては先方の人事も素人です。最後は自分自身と先方企業の募集部署の長とのあいだで「通じるかどうか?」がポイントです。

以下、順を追って、職務経歴書の書き方のポイントをまとめてみます。

とは言っても、ベースになるものを作りましょう

実際に提出するものは、チューニングを施したものになりますが、その「ベース」になるものを作成しましょう。一つでも構いませんが、応募する職種が複数の場合には職種ごとに作成しておいた方が良いと思います。複数の職種?と疑問に思われる方もいるかと思いますが、そのような人は「前向きに転職を考えている人」です。やむにやまれぬ理由では、なりふりを構っていられないケースもあります。 ベースになるものは、簡潔に、何かの「例」に従って書いて行けば良いと思います。 ここでは、「自分の強み」にフォーカスを当てて記述して構いません。

最終的に、これを人材紹介会社に参考資料として提出しておきます。

応募する仕事を見つけて、まず最初にすること。

いきなり人材紹介会社に「応募してください」と言ってはいけません。まずは、「職務経歴書を調整するのでちょっと時間を下さい」と連絡をします。その際に、先方の先行状況等は探りを入れてみましょう。選考が始まったばかりなのか、ある程度何人か見た後なのか?それとも選考が難航しているのか?等はチェックポイントです。
- タイミング
タイミングは重要です。「急いで応募した方がよいのか?」「何日か待てるのか?」は必ず確認して、状況によっては職務経歴書のチューニングは諦めて、ベースの職務経歴書で応募してもらいましょう。 - 選考具合
選考の進行状況は必ず確認しましょう。「選考を始めたばかりなのか?」「難航しているのか?」等です。「選考が難航している場合」には、「難航しているポイント」を必ず聞きましょう。人柄なのか、経験なのか?微妙なところを聞いておいて、職務経歴書ではその「難航しているポイント」を「売り込みポイント」として使いましょう。 - 企業のクセ 特に、選考が始まったばかりの場合、良く確認した方が良いのが「その企業がすぐに決めるような企業かどうか?」です。もちろん、先に応募して早い者勝ちが原則なのですが、企業によっては「何人も会ってから決める」ケースもあります。提出するタイミングは、人材紹介会社の担当者と作戦を練りましょう。

募集内容の分析は必須です

先にもちょっと触れたとおり、書類選考は企業に対してあなたを「書類だけで」売り込むことになります。「人柄」等はまったく見てくれません。その際に重要なのが、「相手がどんな人材を欲しているのか、理解する事」です。特に「必要なスキル」の欄は要注意です。

  • 最初に書いてある「必須スキル」が本当に欲しいスキルです
    募集を掛ける側の立場になって考えると、欲しい人材の「スキル」を書いていく際に、「本当に欲しいこと」を後ろの方に書く人はいません。なので、「上の方に書いてあること」が相手が重要だと考えている項目になります。ただ、下の方に書いてあることも要注意です。

  • 可能なら、その企業の他の求人も見てみましょう 同じ企業からでている複数の求人を見た時に、全く違った部署、全く違った職種なのに、同じことが書いてあるようなケースが多々あります。この部分、別にオマケではなくて、 「人事が重視している部分」 だったりします。職務経歴書に反映する必要は無いかもしれませんが、めでたく面接に進んで、人事と面接をした際にチェックされるポイントだったりします。 また、同じ事業部から出ている違う部署の求人でおなじことが書いてあった場合には「人事」もしくは「その事業部の偉い人」が重視している点だったりすることもあります。

  • 使ってある「単語」も調査しておきましょう。
    同じ意味でも異なる企業で異なる単語を使っているケースがあります。たとえば、SCM関連だと「製販会議」と呼ばれる会議は、しゃれた言い方になると、「S&OP」なんて呼んでいる会社もあります。厳密な定義の面ではこの二つは異なるのですが、 本質的な内容は同じ ですし、その本来の定義以上に各企業のやり方は異なっていたりします。なので、可能な限り「先方の文言に合わせましょう」。場合によっては募集要項だけでは無く、その企業自体、その企業に居る人が発している文書などをチェックすれば探ることが出来ます。

分析が終われば、「職務経歴書のチューニング」

分析が終われば、あとはベースの職務経歴書を分析結果に基づいてチューニングしていくだけです。

  • 重要度に従って、並べ替える 経歴概要に関しては、「いかに相手に売り込むか」で完全に書き直すくらいでちょうど良いと思います。自分の持っているスキルのうち、相手が欲していると面われるモノを全面にだして、「売り込み文書」を書きあげましょう。 時系列で経歴を書いていくようなの部分は難しいですが、たとえば 「xx年~yy年 ~担当」という経験のくくりの中で、経験したことのうち相手が欲している内容を上位に書くことは可能です。

  • 自社の用語では無く、相手の用語で書いていく 先方が、余程社内だけの特殊な用語を使っていない限り、その単語に合わせて書いていきましょう。書類審査する側は意外と「専門用語の微妙な違い」にちょっとしたフラストレーションを感じたりします。

  • 最後に整合性を確認 あたりまえといえば、当たり前ですが。この手の文書は「整合性」が重要です。職務概要と時系列での詳細との間で用語等の整合性が取れているかどうか?は必ずチェックしておきましょう。とくにベースに対してチューニングを施すと整合性が崩れがちです。

めでたく提出

これで、書類を提出します。可能な限り、日本語や整合性は人材紹介会社の担当者にチェックしてもらうようにして、「独りよがりな文書」にならないように注意しましょう。 なお、提出したバージョンは必ず分かるようにして、めでたく書類が通過した際には「自分が出したもの」を面接前にチェックして、提出したものと面接で話す内容の整合性が取れているように注意しましょう。

あとは祈るだけです。

まとめ

自慢にはなりませんが、これまでおそらく数十社以上に職務経歴書を提出してきました。そのなかで、「書類が通った際に共通してやっていたこと」が以上になります。 最後は「自分が気に入るかどうか」で転職すれば良いかどうか?を決めるべきですが、そこまでは「いかに相手に売り込むか」です。セールスの経験や知識のある人であれば、自分を商材と考えて、自分をいかに「売る」かを考えればおのずと答えは見えてくると思います。

最後までお付き合いありがとうございました。 では、頑張ってください!

転職について - 人材紹介会社を使った転職の流れ

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転職を考え始めてまず最初にやるのが「どんな求人があるのかな?」と探すことかと思います。その求人情報は、直接企業が出している場合と、人材紹介会社を介して出している場合とがあります。人材紹介会社は企業からの求人に対してはベストな人を紹介、求職している人に対しては、ベストな仕事を紹介するのがその仕事です。 今日はその人材紹介会社の利用についてのあれこれについて書いてみます。

最初の一歩、人材紹介会社とのコンタクト

大小の上場企業や外資系企業を相手にしている人材紹介会社で「怪しい会社」に会ったことはありませんし、そんな話も聞いたことがないので、ある程度名の通っているところであれば問題ないでしょう。 人材紹介会社の業務は、企業から求人の依頼をもらって(要は営業)、その依頼を元に人探しをすることなので、営業力次第で扱っている案件のバリエーションも変わってきます。簡単に言えば、大きな会社であれば、沢山の案件を扱っています。 ただ、小さいところでも特定のお客さんに上手く入り込んで、厳選された良い案件を持っていたりします。

CMで見かけるエン転職 などの転職サイトでは、色々な案件が紹介されていますが、それぞれの案件は各人材紹介会社が提供しています。なので複数の求人の話を聞いたり、応募しようとすると、複数の人材紹介会社とやり取りすることになります。少なくとも、数ある人材紹介会社のうち、自分の気になる求人を紹介している会社は、自分が求めている業種や業務に関連する求人を色々扱っている可能性が高いので、まずはこの方法でコンタクトしてみるのが良いと思います。(求人している企業側がコストを負担するので、大抵無料です。)

ただ、あまりに多すぎるとやり取りが大変になるので、数社に絞るようにしましょう

気になる求人があっても、「数打ちゃあたる」と全部連絡するようなことは控えてせずに、この段階では本当に気になる数件に絞り込んで連絡を取るようにしましょう。人材紹介会社に登録すると、そこで複数の案件を紹介してくれます。企業の人事が人を探す時には、特命の場合を除いて、複数の人材紹介会社に連絡をします。なので、全部の案件ごとに違う人材紹介会社に連絡する必要はありあません。(場合によっては、あまりに求人の内容とあなたの経歴等にギャップがある時には、人材紹介会社の中でフィルタがかかるケースがあります。) 逆に、「スカウト」と言って転職サイトに登録しておくと、向こうから声をかけてくれたりします。 その後、メールのやり取りから始まって、電話や実際に会って話をすることになります。

なお、ある程度覚悟が決まっている人なら構いませんが、
人材紹介会社は、各企業の人事と普段からやり取りしています。あなたが求職しているという事実は非公式にあなたが今いる会社の人事にも漏れる可能性があると考えた方が良いです。
関係者は個人情報保護法がありますので、絶対にそのようなことは認めませんし、証拠が残る形で連絡したりもしませんが、実際に「その節があるケース」には何回か遭遇しています。なので、「なんとなく転職ってどんなものか情報収集してみようかな?」程度の段階であれば、ちょっと慎重に行動した方が良いです。

人材紹介会社への登録から求人の紹介・応募までの流れ

人材紹介会社に仕事を紹介してもらうにあたって、まず最初に担当者と会って自分の転職したい理由や希望条件を話して、履歴書や職務経歴書を渡して登録することになります。人材紹介会社は登録した情報と自分達が持っている求人とを照らし合わせて(マッチングと言います)いくつかの求人を紹介してくれます。(上手な職務経歴書の書き方などは別途説明する予定です。) 紹介してくれた案件について、不明な事があればどんどん質問して、不明な点をクリアにしましょう。その上で、自分が「応募したいな」という案件に応募してみます。連絡を取るきっかけになった、転職サイトに載っていた案件も同様です。企業名(多くのケースが企業名を隠しています)なども、実際に登録したのちに教えてもらえます。 自分がその求人が気に入れば、その求人に応募することになります。応募後は人材紹介会社があなたの応募書類を求人している企業に持って行って、文字通り「紹介」してくれます。ただ、各求人には複数の候補者が紹介されますので、まずは企業による「書類選考」というフィルタがかかります。そのため、応募の際には人材紹介会社に提出した書類そのままではなくて、その求人向けにチューニングを施した書類を提出してもらうようにしましょう。

人材紹介会社からの求人の紹介は決して求人企業からのオファーではありません

人材紹介会社から求人の紹介があると、その求人企業から何らかのオファーがあったと勘違いしてしまいがちですが、特殊なスキルを持った人に対する「一本釣り」でもない限り、あくまで「候補者の紹介」です。転職なれしていない人(そういう人が大多数ですが)は、ここで「採用まで近い」と考えてしまいますが、全くもって違います。単に企業の「選考のテーブル」に乗せてもらえただけで、複数いる候補者から「選ばれる」必要があります。

書類提出後の流れ

書類提出後、求人企業にてフィルタリングが行われて、実際に面接してみたい人に連絡が行きます。いわゆる「書類選考」です。無事に書類選考が行われた後は、数回の面接を経て採用・不採用が決まります。面接は複数回行われますが、その企業や求人しているポジションにより様々です。(私の場合、最高で7回面接を行いました。)面接前には、人材紹介会社から色々な情報をもらっておきましょう、面接官の性格や好み等も必ずチェックしておきます。面接前に限りませんが、求人の書類で使っている「専門用語」も要チェックです。同じ意味でも会社によって言葉が異なることが良くありますので、書類や面接では「相手の用語に合わせる」のが意外と重要です。
面接ごのやり取りも重要です。求人している企業も選考していますが、自分も仕事を選ぶ立場です。面接で「なんか違う」と思った時には正直に伝えて、丁重にお断りすることも重要です。先方も時間を使って面接してくれているのですから、行く気がないのであれば早い段階で止めておくのが得策です。また、求人している企業が面接で自分にどのような評価をしているのか(積極的に進めていきたいのか、キープレベルか?等)?を聞いておくと、次回の面接の際の際に、例えば先方が???と感じた点をカバーすることが可能になります。

数回の面接を無事に終えて、先方が「来て欲しい」となれば最終的に「内定」が出ます。が、ここが最後の踏ん張りどころです。 - 本当にその企業に行きたいか?を良く考えましょう。 - 条件を交渉する最後のタイミングです。人材紹介会社と良く相談しながら最高の条件を引き出しましょう。 - 金額だけではなく、入社のタイミングも良く考えて、必要なら交渉しましょう。

注意点

多くのケースでは人材紹介会社は企業に人を紹介して、採用されて初めてお金をもらえます。言い換えると、あなたが入社してくれないとお金になりません。ですので、人材紹介会社の話は「話半分」程度で聞いておくのが吉です。良く「あなたにとってそれが最良ならば、転職しないことを勧めることもあります」と広告に書いてあるケースがありますが、こちらも「広告の文句」と考えた方が良いです。とにかく最後は自分の責任ですから、「断る勇気」ももちましょう。

人材紹介会社の担当者

良く「どこの人材紹介会社が良いですか?」と聞かれることがありますが、人材紹介会社の良し悪しよいうよりも「担当者の良し悪し」の方が重要です。向こうも仕事でやっていますから、最悪な担当者になると、こちらが待てというのに、古い職務経歴書を勝手に送って不採用の連絡を寄こす担当者や、明らかに企業に候補者の書類を送る事務作業にしか興味のない担当者なんてのもいます。ただ、仕事ができる担当者もちゃんといます。

  • イムリーに情報や的確なアドバイスをくれる
  • 悪い情報も流してくれる
  • 動きが無くても、定期的に現在の状況をきちんと連絡してくれる。
  • 当たり前ですが、言ったことをキチンとやってくれる。

どの仕事でもこのあたりは共通です。普段仕事をしていれば、「信用できる人・できない人」の違いはある程度感じることができると思いますが、それと同じ基準で構わないと思います。冷酷かもしれませんが、特に転職の場合には出来ない担当者と付き合うのは時間の無駄です、適当にあしらって疎遠にしておきましょう。

まとめ

ちょっと長くなってしまいましたが、人材紹介会社を転職に上手に活かしていただければ幸いです。ただ、何度も書きますが、彼らのお客様はあくまで求人している企業であり、求職している人は彼らにとって商品に過ぎません。このあたりを勘違いして過大な期待をしてしまうと、がっかりしてしまいます。それを理解した上で、いかに上手に人材紹介会社を使うか?という点に尽きると思います。少なくとも、彼らは場数だけは踏んでいるのですから。

転職について考える - 本当に会社変えていいんですか?

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ここまで、「激動の時代、周りの環境がひょっとしたら変わってしまうかもしれない」という脅しのようなことを書いてみましたが、 自ら環境を変える事について、ちょっと書いてみます。そう、転職です。電車に乗ったり、Webを見ると、どこにでも転職に関する広告が目に入ります。そもそも、皆が転職してるんでしょうか?転職すると「バラ色の人生」が待っているのでしょうか? これまで5回も転職しているので、分かる範囲でまとめてみます。

そもそも皆転職するの?私もした方が良いの?

働く人に「終身雇用」という価値観が根強く残っている中で、転職というのはどうも。。。。と躊躇してしまうのも事実です。 一方で、先にも書いたようにその手の広告はあふれかえっています。何が本当なんでしょうか?

実際のところ私自身は都合6社、5回の転職をしていますが、統計をざっと見ると、たとえば男性の場合6割くらいの人が、 最初の勤め先か、最初の転職先(ようは2社まで)でサラリーマン人生を全うしているようですので、私は非常にまれなケースのようです。
平成26年度労働経済の分析

転職する理由は人様々でしょう、
1. キャリアアップのために転職
2. 待遇改善のための転職
3. 肉体的、精神的に耐えられないので転職
4. 会社や仕事が無くなったので転職
5. 生活環境(例えば勤務場所)が合わないために転職

3 - 5 のような、「仕方なく転職」の場合には、他に選択肢はありませんから、出来るだけ良い条件で良い形で転職をすすめるしかありません。 が、(転職しまくっている私が言うのもなんですが)1や2の理由の場合、余程考えて動かないと後で後悔することになります。 間違えないためのポイントを以下にまとめます

思い描いたとおりの仕事は無い

1.のようなキャリアアップの場合、転職先の仕事の内容を正確にとらえるのは非常に難しいです。ある意味、先方はそのポジションをSalesしているのですから、 良く見えるように説明しますし、転職先を探している方も「何かないかな?」と積極的に探している状態では判断にバイアスがかかります。余程慎重に考えないと 「こんな仕事じゃないと思った」ということになってしまいます。「理想通りの仕事なんて無い」くらいに構えておいて、自分のキャリアでほんとうに伸ばしたいところ を良く考えて、「譲れないポイント」にフォーカスした方が、良いでしょうね。

ポジションの名前は会社それぞれ

トップであればある程度判りやすいのですが、中間管理職の場合、会社によって係長、課長、部長の役割りや求められる仕事の範囲が微妙に異なります。 なので、今やっている仕事が課長で、部長職に転職しても、結局やっている内容は変わらない、なんてことも十分にあり得ます。 管理職の場合、「会社の上から数えて何層目なのか」とか「どのくらいの部下の面倒をみるのか?」あたりが判断の目安になるでしょう。

待遇面は慎重に

転職した場合、前の会社の退職金は満額はもらえません。今は退職金制度自体が色々変わって来ていて、例えば確定拠出年金だけの場合であれば、そのまま移行できるのであまり気にしなくてもいいかもしれません。 が、たとえば、「最終職位と勤続年数と云々」という規定で決まっている会社の場合、金額が大きく 変わってしまう可能性があります。なので、その部分も考えに入れた方が良いでしょう。 また、ボーナスがある会社の場合、入社した最初のボーナスはもらえない事がある(私の場合ほとんどそうでした)ので要注意です。 このあたりと、月の給与とのバランス、もっと言えばお金に変えられない価値観まで含めて良く考えた方が良いでしょう。

キャリアアップなら、「社内転職」も視野に入れましょう

会社によりますが、希望者が他の部署に移れる制度がある場合があります。そうで無くても、自分から積極的に動けば他の部署に異動できるかもしれません。 待遇面や職位はさほど変わらないかもしれませんが、 - 文化の違いに悩まなくていい
- 仕事の内容がより具体的にイメージできるので、さらに失敗が少ない
- 給与他の待遇面は保障される
という、ローリスク・ハイリターンでの「転職」が可能になります。私も研究開発職からプロジェクトマネージメント、最後はサプライチェーンと、社内転職で色々な事を経験することが出来ました。実際に社内転職をするには、普段から周りの部署の人たちと良好な関係を保っておく必要がありますが、知らない会社で最初から関係を構築するのに比べればはるかに楽です。

まとめ

結局、転職を留めるような内容になってしまいましたが、これが転職の現実です。転職サイトや人材紹介会社の広告には、転職すればバラ色の様な内容が書いてありますが、 それはあくまで広告です。鵜呑みにしないようにしましょう。どうするかは本人次第ですが、冷静に考えて方向を決めましょう。相談できる人がいれば、客観的な意見を 聞いてみるのも良いでしょう(その場合、人材紹介会社の人は避けましょう)。

それでも転職したい人、仕方なく転職する必要がある人のために、次回から何回かに分けて、上手な転職のためのアドバイスを書いてみたいと思います。

要注意ワード2件

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勘違いで思い出したのですが、会社の中で、次のような事を言う人がいたら、、、、ちょっと気をつけましょう。 一見説得力があるようで、実は全くありません。

「ちゃんと」「きちんと」

主に、業務上のクレームをつけたり、部下を注意した時に使われる言葉です。特徴としては「ちょっと高圧的に」使われることが多いです。 ただ、どちらの言葉も具体性がありません。要は、「どう”ちゃんとしたらいいか”」説明できないのです。本当に理解しているひとの言葉にはほとんど「具体性」があります。こういう言葉を多発するひとの言動には、注意して対応するようにしましょう。(往々にして、色々対応しても再度「それじゃちゃんとしてない」とか言い出します。)

「普通は」

世の中に何千、何万と会社があるのに、誰が「普通」を知っているんでしょうか?単に自分が言う言葉に説得力を持たせるためだけに使っているだけです。日本人の平均の会社経験数は2社とちょっと、色々な会社に足を運んでいるコンサルタントでもない限り「普通」を知っている人は皆無です。 他者から転職してきた人で、これを多用する人は、、、100%転職に失敗しています。

企業で働いていく上で危険な5つの勘違い

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前回は、いかに現在のいる環境が保証されていないか?を書いてみましたが、関連して「今いる環境に固執」してしまっている人にありがちな勘違いをまとめてみました。誰でも今の仕事へのプライドから、多かれ少なかれこんな考え方をしてしまっていると思います。 たまに「今ある環境そのままではないかもしれない」と思い出すだけで、自然と行動や考え方に反映されていきます。

私が居ないと仕事が回らない

仕事の内容にもよりますが、あなたがいなくなって「ほんの少しの間」は混乱するでしょう。でも、実際には残った人だけでなんとかなってしまうのです。そういう状況にあぐらをかいている人は遅かれ早かれ痛い目にあっていました。何より「仕事を回す側に固執している」はそのまま「今のポジション以上には上がれない」事を自ら認めて周りに吹聴しているのと同じです。「業務を回す」立場よりも「業務自体を構築する」とか「全体を取り仕切る」方向に向かうべきです。今回している仕事そのものは、よそに行ったらそのままでは通用しない「環境固有の」仕事ですが、「業務自体を構築する」とか「全体を取り仕切る」ことは他にも十分に水平展開できる内容です。特に事務系のルーチンワークに関しては、作業していることに企業は感謝はしますが、あくまでコストであり、何の価値も生み出していないと考えています(VSA Value Stream Analysis なんてやっている会社ではほぼ「無くなれば幸せな仕事」にリストされています)。本音では「もっとコストがかからないようにするにはどうしたらいいか」と常に考えています。

我々の業務は特殊だ

製品やサービスが「特殊」で「唯一」であること自体には大きな価値があります。法律などで規制されていて、他の業種ではあまりそういう業務を行っていない、確かに特殊なケースもあるかもしれません。ただ、一般的な仕事のやり方や進め方で「特殊」は全く価値はありません。この勘違いをしている人は非常に多いです。私が主に働いていたサプライチェーン関連の仕事では、先人達が色々なことを既に整理してくれていますので、色々な考え方がある中の「自分たちはどういった業務プロセスなのか?」と今までの例に当てはて、その事業の特徴に合わせて「チューニング」してあげることで、80点くらいのプロセスを組み立てることができます。(実はERPの導入がまさにこの手法です。) 上の話とも合わせて考えると「属人的」で「変な特殊性を持った業務の」組み合わせは、自分自身を「そこから抜け出せなくしている」だけです。世の中にあるものは積極的に取り入れて「本当に価値のあること」「本当に注力すべきこと」にリソースを集中すべきです。

仕事の引き継ぎに1年以上かかる

マネージャーやリーダークラスに「その仕事、引き継ぎにどのくらいかかる?」と聞いたときに帰ってくる答えで、その人のレベルが大体分かります。よくあるのが「1年」というケース。本当に3年かかるくらい複雑な業務になってしまっているのであれば、仕事の組み立て方に相当問題がありますし、教えるのに時間がかかるのであれば、残念ながらその業務の本質をきちんと理解していないために、きちんと教えられないか。そもそも、「教えたくない」「自分の業務は特別」という考えが背景にあるように思います。いざというときに身動きが取れるように、常に業務は簡素化しておいて、「誰でもできるように」しておく必要があります。

他部署より常に優位に立ちたい

社内で色々なコンフリクトがあった時に、常に自部署の利益を考えて社内的にうまく立ち回っている(ように見える)人がいます。部署内での評価も当然良く、逆に部署外からは疎まれているような人です。自部署内では評価も良いでしょうし、短期的には上手くいっているように見えます。が、程度によっては時間が経つにつれて上手くいかなくなってしまいます。社内で、人が完全に固定している環境であれば問題ないかもしれませんが、社内で人が動くにつれて、周りに敵が増えていきますので、周りとの協調がだんだん難しくなってきます。最悪、自部署より上から見たときに、単なる「面倒くさいやつ」と思われがちです。今の環境を大事にしすぎるあまり、自らの可能性を閉じてしまうケースです。 一歩離れて、「全体にとってどうか?」「全体の問題は何か?」を考えるようにしてみましょう。。

自分の上司を目標にしている

悪いことではないのですし、その上司にもよるのですが、今の仕事の範囲内で「いつか今の上司のようになりたい」と思っていると危険です。人となりだったり、考え方までなら良いのですが、実業務で「ああなりたい」と思っていると、それ以上にはなれませんし、3年ごにそのポジション自体があるかどうかわかりません。はたまた、他の人がそのポジションについてしまうかもしれません。そうなった時に、完全に自分が進むべき方向が分からなくなってしまいます。その上司を「お手本」にしつつも周りも見ておくことが必要です。

目指すべきところは?

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世の中では、英国がEUを離脱したり、SHARPが台湾企業の子会社になったりと、激動が続いています。アベノミクスの元、景気が緩やかに回復しているとはいえ、色々な物事の枠組みが変わっています。

ニュースの上での話、と遠い別の世界での話と思われるかもしれませんが、いつ自分の身に降りかかっても全く不思議ではありません。労使間での「終身雇用」という紳士協定はすでに破綻しています。

そんな中で、目指すべきことは何でしょうか?

現在自分がいる環境、職場が「無くなってしまう」という状況を順を追って考えてみましょう。

収入が絶たれる

一時的であれ、仕事ができなくなると収入がなくなります。毎月支払わなくてはいけないものが、多かれ少なかれ、ありますよね?どうしましょう?

仕事を探さなくてはいけない

今までいた職場と違うところで何らかの仕事を探さなくてはいけません。会社は「支援します」というようなことを言うかもしれませんが、最終的には次の職場と自分自身の問題で、次を探してくれる保証は全くありません。

違う環境に入らなくてはいけない

上手く、次の仕事を見つけたとして、次に起こるのは「全く違う環境」に入っていくことです。例えば、同じ業種の似たような部署に入れたとしても、そこにあるのは当たり前ですが「全く別の会社」です。、そこにいる人間が違うので、人間関係の再構築が必要になります。

微妙な差に四苦八苦しなくてはいけない

何とか仕事を始めて次に苦労するのが、「部妙な違い」です。同じ業界で同じ仕事だとしても、「使っている言葉」が違ったり「業務に使う道具」が違ったり、「業務の進め方」が異なったり、「文化が異なります。」

これは特別な事でもなんでもなく、誰にでも起こりうることです。 このような時に「自分で能動的に動けるかどうか?」でその後が大きく変わってきます、

仕方なく、このような状況になってしまった場合、自分の意思に関係なくそのような状況に陥っているので、まず、自分の思ったように事は進みません。何より、常に「人のせいでこんなことになってしまった」という恨みの感情だけが残ります。

自分の意思で、ある程度コントロールできると、職場がなくなってしまうこと自体はコントロールできませんが、自分の意思で前もって離れるのか、最後まで残ってもらえるものをもらってから他に移るのか?自分の意思で決めることができれば、職を失う期間も最短で済むでしょうし、次に移る期間を「環境を変えるための準備でゆっくりしよう」なんてこともできたりします。たとえ移った先が同じだったとしても、何より自分で決めたのですから、納得がいきます。精神状態も良いでしょうから、違う環境に移っても、余裕をもって対応することができます。

この両者の違いは、下の言葉がもっとも上手く説明しているでしょう。

進化論

最も強い者が生き残るのではなく、 最も賢い者が生き延びるでもない。 唯一生き残るのは、変化できる者である

はじめに

こんな文章を書こうと思ったわけ

今まで、色々な仕事を通して、色々な経験をしてきました。

とは言ってもいわゆる「成功者」ではありません、むしろ失敗やうまくいかないことの方が多かったように思います。

その度に、色々な人に助けてもらったり、教えてもらったりしてきました。 気がつけば社会人になって、20数年、これからは私が微力ながら色々な人を助けたり、知っていることを教える番です。 そんな恩返しの気持ちを込めて、今まで学んできたことをまとめてみます。

ただ、世の中のビジネス書籍にあるような、「意識高い系」ではなく、
「ちょっとだけ上手く仕事が進められるように」
に注力します。

あんまり気合いを入れても疲れてしまいますから。

実はあまり希望が持てない現代のサラリーマン

最初から暗い内容ですが、、、

私が就職した頃、正確にはその少し前の1980年代後半くらいまでは、日本のサラリーマンは希望に溢れていました。就職は完全な売り手市場で、毎年給料もガンガン上がっていく。そんな時代でした。 もう少し遡って、高度成長期からバブルの時代まで、浮き沈みはあれど将来までの長きにわたって成長は続くものだと誰もが信じていました。

企業に勤めている人は、あたり前のように終身雇用が保障されると信じていて、ある程度の年齢になれば、それなりのポジションにつけるのが当然だと思っていました。

しかし、長いデフレの間に、各企業そうも言っていられない状況になり、その頃は「絶対に安全な会社」でもリストラがあたり前になってしまいました。 1990年の理系の就職したい企業ランキングでは

1. ソニー
2. 日本電気
3. 日本電信電話
4. 東芝
5. 松下電器産業
6. 日立製作所
7. 日本アイ・ビー・エム
8. 富士通
9. 三菱電機
10. 東海旅客鉄道

元資料はこちら

会社によりそれぞれですが、このうちの何社かではリストラを行ったり、場合によっては会社自体が不祥事でえらいことになっていたり。1990年頃だと、これらの企業に就職できた人は「勝ち組」だったのですが、正に一寸先は闇ですね。

リストラされないまでも、昔のように「会社にいるだけでそこそこのポジション」という幻想も、正直現代では難しくなってしまっています。多くの人が管理職には付けないでしょうし、「年功序列」という考え方自体が崩壊しかかっていますから、後輩に追い抜かれるなんてことは「あたり前」になってしまっています。

書いているだけで悲しくなりますが、これが現実なのです。

さて、こんな時代の中、どうやって生き抜いていったらよいか? そんなことを考えていきたいと思います。