「意識中くらい」の仕事術

トップを目指しているわけではないが、人よりちょっと仕事ができるようになりたい人へ

企業で働いていく上で危険な5つの勘違い

f:id:ynakazono:20160629213338j:plain

前回は、いかに現在のいる環境が保証されていないか?を書いてみましたが、関連して「今いる環境に固執」してしまっている人にありがちな勘違いをまとめてみました。誰でも今の仕事へのプライドから、多かれ少なかれこんな考え方をしてしまっていると思います。 たまに「今ある環境そのままではないかもしれない」と思い出すだけで、自然と行動や考え方に反映されていきます。

私が居ないと仕事が回らない

仕事の内容にもよりますが、あなたがいなくなって「ほんの少しの間」は混乱するでしょう。でも、実際には残った人だけでなんとかなってしまうのです。そういう状況にあぐらをかいている人は遅かれ早かれ痛い目にあっていました。何より「仕事を回す側に固執している」はそのまま「今のポジション以上には上がれない」事を自ら認めて周りに吹聴しているのと同じです。「業務を回す」立場よりも「業務自体を構築する」とか「全体を取り仕切る」方向に向かうべきです。今回している仕事そのものは、よそに行ったらそのままでは通用しない「環境固有の」仕事ですが、「業務自体を構築する」とか「全体を取り仕切る」ことは他にも十分に水平展開できる内容です。特に事務系のルーチンワークに関しては、作業していることに企業は感謝はしますが、あくまでコストであり、何の価値も生み出していないと考えています(VSA Value Stream Analysis なんてやっている会社ではほぼ「無くなれば幸せな仕事」にリストされています)。本音では「もっとコストがかからないようにするにはどうしたらいいか」と常に考えています。

我々の業務は特殊だ

製品やサービスが「特殊」で「唯一」であること自体には大きな価値があります。法律などで規制されていて、他の業種ではあまりそういう業務を行っていない、確かに特殊なケースもあるかもしれません。ただ、一般的な仕事のやり方や進め方で「特殊」は全く価値はありません。この勘違いをしている人は非常に多いです。私が主に働いていたサプライチェーン関連の仕事では、先人達が色々なことを既に整理してくれていますので、色々な考え方がある中の「自分たちはどういった業務プロセスなのか?」と今までの例に当てはて、その事業の特徴に合わせて「チューニング」してあげることで、80点くらいのプロセスを組み立てることができます。(実はERPの導入がまさにこの手法です。) 上の話とも合わせて考えると「属人的」で「変な特殊性を持った業務の」組み合わせは、自分自身を「そこから抜け出せなくしている」だけです。世の中にあるものは積極的に取り入れて「本当に価値のあること」「本当に注力すべきこと」にリソースを集中すべきです。

仕事の引き継ぎに1年以上かかる

マネージャーやリーダークラスに「その仕事、引き継ぎにどのくらいかかる?」と聞いたときに帰ってくる答えで、その人のレベルが大体分かります。よくあるのが「1年」というケース。本当に3年かかるくらい複雑な業務になってしまっているのであれば、仕事の組み立て方に相当問題がありますし、教えるのに時間がかかるのであれば、残念ながらその業務の本質をきちんと理解していないために、きちんと教えられないか。そもそも、「教えたくない」「自分の業務は特別」という考えが背景にあるように思います。いざというときに身動きが取れるように、常に業務は簡素化しておいて、「誰でもできるように」しておく必要があります。

他部署より常に優位に立ちたい

社内で色々なコンフリクトがあった時に、常に自部署の利益を考えて社内的にうまく立ち回っている(ように見える)人がいます。部署内での評価も当然良く、逆に部署外からは疎まれているような人です。自部署内では評価も良いでしょうし、短期的には上手くいっているように見えます。が、程度によっては時間が経つにつれて上手くいかなくなってしまいます。社内で、人が完全に固定している環境であれば問題ないかもしれませんが、社内で人が動くにつれて、周りに敵が増えていきますので、周りとの協調がだんだん難しくなってきます。最悪、自部署より上から見たときに、単なる「面倒くさいやつ」と思われがちです。今の環境を大事にしすぎるあまり、自らの可能性を閉じてしまうケースです。 一歩離れて、「全体にとってどうか?」「全体の問題は何か?」を考えるようにしてみましょう。。

自分の上司を目標にしている

悪いことではないのですし、その上司にもよるのですが、今の仕事の範囲内で「いつか今の上司のようになりたい」と思っていると危険です。人となりだったり、考え方までなら良いのですが、実業務で「ああなりたい」と思っていると、それ以上にはなれませんし、3年ごにそのポジション自体があるかどうかわかりません。はたまた、他の人がそのポジションについてしまうかもしれません。そうなった時に、完全に自分が進むべき方向が分からなくなってしまいます。その上司を「お手本」にしつつも周りも見ておくことが必要です。